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「シャーキーズ・マシーン」サントラ盤の魅力

シャーキー・ジャケ


前回触れた「シャーキーズ・マシーン」の魅力は、ジャズ色いっぱいにフィーチャリングされた音楽、正確に云うと発売されたサントラ盤にある。当時発売のLPライナー・ノートに記されている参加ミュージシャンはその頃、ジャズ初心者だった自分(今でもそうですが。)が見ても豪華なものだった。
ボーカル・メンバーはサラ・ヴォーン ジョー・ウィリアムス マンハッタン・トランスファー ランディー・クロフォード ペギー・リー ジュリー・ロンドン チェット・ベイカーそのほかV組以外ではアート・ペッパー シェリー・マン レイ・ブラウン バーニーケッセル等 アっ!知っとる知っとる!の有名ミュージシャンが多数参加していて、オムニバス・アルバムかと勘違いしそうだがこれ等ほとんどがこの映画の為に集まったのだ。

<サントラ盤収録順>
side 1

1.ストリート・ライフ ー ランディー・クロフォード
  
  暗闇にボ〜ッと浮かぶロングカクテル?,と思うとこれが話のカギとなるビル通称ミラータワーの空撮。で、そこからフェード・アウトして独り線路を歩くシャーキーを追う,この映画冒頭で流れる。
ストリート・ライフ 元々は同名のクルセイダースのアルバムに入っている曲で、
〜♪あてどもなく私はさまよう♪〜とスロ−・バラ−ド風(?)に始まる劇中でのスコアはむしろそちらに近いけど、サントラ盤の方もとにかくハデでかっこいい。
ジャッキー・ブラウン 間奏のキーボードからサックスに向かって盛り上がる所なんか私はいつ聞いても鳥肌が立ちます。後にタランティーノが「ジャッキー・ブラウン」でこの曲を使ったのは有名ですね。



2.麻薬手入れ − フローラ・プリム&バディ・デ・フランコ
  
  尺八や琴っぽい音の入ったF・プリムのスキャット(奇声?)からB・D・フランコのクラリネットへと流れる。前者はシャーキーが麻薬の売人と密会するシーン、後者は悪役の親玉ビクターがミラー・タワーのエレベーターで初登場するシーン。

3.ルート66 − マンハッタン・トランスファー
  
  途中で燃料切れたら死んでしまうルート66も、マン・トラが唱うと小粋に聞こえます。シャーキーとノッシュがドミノの部屋に盗聴器を仕掛けるシーン、
部屋のオーディオ装置から流れて来る。 

4.マイ・ファニー・バレンタイン − チェット・ベイカー
  
チェット・ベイカー・シングス アルバムの帯には”全て新録音”と書いてあるがこれは「Chet Baker Sings」から引っ張って来たもの。(だと思う)オリジナルに多少エコ−がかった処理がしてある。この曲はどのシーンで使われているか不明だが、マイ・ファニー〜は劇中何度も使われていて、シャーキーがドミノを盗聴するシーン(ストーカーじゃなく監視!)ではドミノの鼻歌に合わせて二人でハモったりしている。C・ベイカーのヤサ男的な声は好き嫌い別れるところだが、”この曲だけは好き”と云われる方も多いのではないでしょうか?

5.ハイ・エナジー − ドク・セヴェリンセン
  
  ドミノの死体検分後、シャーキーのマシーン(軍団)が動き出す場面。
いわゆる「太陽にほえろ!」の捜査場面で流れる「マカロニのテーマ」のクール版みたいでなかなか効果的に使われてます。
セヴェリンセンのペットもクップクプ〜と緊張感があっていい感じ。

6.”シャ−キ−ズ・マシ−ン”愛のテーマ − サラ・ヴォーン
  
  パトロン・ビクターに別れの告白をしたドミノが、ビクターと最後のベッド・インをするシーン。涙を流しながら催淫剤らしき物を酒で流し込むドミノが痛々しい。この様子を監視していたシャーキーが思わず泣いてしまう,と云うのが通説だが 見返してみるとその前に既にシャーキーの目は眠気でドロドロになっている。判断つきかねますが、彼が泣きたくなる程の落胆ぶりを見せるのは事実。サラの低く伸びやかな歌声が、逆に悲愴感を増幅させる。


side 2


1.恋の8TO5 − ジョー・ウィリアムス
  
  シャーキーとアーチーが踏み込む情報屋のバーで。
映画ではほんのさわりだけで、ゴージャスなブラバンとJ・ウィリアムスの歌声がほとんど聞かれないのが惜しい。

2.マイ・ファニー・バレンタイン − ジュリー・ロンドン
  
  射殺されたドミノの部屋で思いをめぐらすシャーキー。
同じ歌でもC・ベイカーのアンニュイさとは対照的に、こちらは艶やかで貫禄がある。さすがは歌うローレン・バコール!! ライナー・ノートによるとこの曲のバックがシェリー・マン レイ・ブラウン バーニー・ケッセルとの事。

3.SEX演習 − ドク・セヴェリンセン
  
  ドミノと、ルーム・メイトのティファニーが通うエアロビ・スクールでのダンス・ナンバー。???な邦題ですが、原題は「SEXERCISE」、セクササイズで「EXERCISE」エクササイズのもじりだそうです。
(ライナー・ノートより)

4.レッツ・キープ・ダンシング − ペギー・リー
  
  シ−ン不明。ワルツっぽい曲と云うのか、悲し気に回るメリー・ゴーメランドのイメージ,とでも云うのか・・・。言葉のボキャブラリーが貧困で・・・。
桂銀淑(けい・うんすく)の「すずめの涙」にちょっと似てると云うか・・・。
(ますます解らなくなりますな・・・。)まあよい曲です!!

5.”シャーキーズ・マシーン”テーマ − エディ・ハリス
  
  短い曲だけど、E・ハリスのアルト・サックスが印象的。
原題は"SHARKY'S THEME"「シャーキーのテーマ」ですが、
撃たれ傷つき、それでもまた街に飛び出していく刑事達を暖かく見守る様な一曲。

6.ビフォア・ユー − サラ・ヴォーン&ジョン・ウィリアムス
  
  エンディング、大御所によるデュエット。 〜♪人生のページは目くるめく変わって♪〜 「先の事は判らんけど、とにかく良かったなシャーク!」とでも言ってやりたくなるほのぼのとしたラスト。
オープニングとは逆、ミラー・タワーにフェード・インして映画は終わります。



 
 アクション映画と呼ばれる分野はその時代において最先端の撮影技術やスタントがウリになるのは世の常。マックィーンのいぶし銀「ブリット」だって当時の一押しはその、これ迄に前例のないカー・スタントだった。でもね この頃迄のアクション映画は必ずしも”初めにアクションありき”ではなかったと思うのです。確かに昨今の映画、”印象に残ったシーンは?”と聞かれて思い出すシーンは数あれど、人間不在の場面が多い様な気がする。この映画だって例として挙げれば指チョンだとかとんでもない高さのビルからの落下とか当時としてはスキャンダラスなシーンはありますが、最終的に心に残るのはそんなシーンではなくてやはり、使われた音楽だったり、シャーキーの純情やドミノの美しさ、風紀課の面々のキャラクタだったりするのですね。”娯楽映画としての清廉さ”さへ感じる,と云ったらホメ過ぎだろうか。 
 
 ここまでおススメしておきながら、残念ながらこのアルバムは未だCD化されておりません。(なんじゃそりゃ!!) amazonのマーケット・プレイスでも見かけた事がないですな。ただ映画「シャーキーズ・マシーン」はリメイクの動きがあるとか・・・。(管理人kazukoさんのマーク・ウォルバーグ・ファンサイトに関連記事がありました。/2006年04月08日付)
新作がきっかけとなり、またこのサントラ盤に注目が集まればもしや,と淡い期待を抱いておりますが、いかがなもんでしょうか。

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