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Gotengo, a GO!!

 初めて御訪問下さった方には 特撮関係?と疑われそうな昨今ですがここしばらく邦画がマイブームになっているのは事実。
と云う訳で年明け一発目,「おとそ」飲りながらのレンタル観賞は本多猪四郎監督作品『海底軍艦』でした。1963年公開とはワタクシの生まれ年,新年最初の借り物視聴にはコレ以上はない。

「海底軍艦」詳細あらすじ等はこちら『海底軍艦』〜goo映画〜で。

海底に王国を築き地上・全世界の支配を目論む古代ムウ帝国。
世界各国は総合防衛司令部を設置するがムウ帝国の科学力の前には打つ手なし。世界は元日本帝国海軍神宮司大佐が密かに建造する海底軍艦「轟天号」に全てを託す・・・。

つったって戦死したはずの神宮司率いる帝国海軍の残党が南海の孤島で轟天号を造ってるなんてことは当初だれも知らない。
「君たち無駄な抵抗はやめて早く地上を渡しなさいねソコって元々ワシ等の植民地だったんだから。あそれとね、あの神宮司って奴ね。アイツちゃっかり生きてて「轟天号」とか云うアブナイもの造ってるけどアレ止めさせてね。あれヤバイから。」って脅しの中で墓穴掘っちゃってるのは当のムウ帝国自身なんですが・・・。
(ちなみにモスラを守護神とするインファント島民と同じく、民族の根源人種不明のようなムウ帝国人民だが(と云うか当り前だがほとんど日本人)、皇帝(小林哲子嬢)の側近などは改めて見ると白人女性が固めている。)

いやしかし轟天号を統括する神宮司大佐役の田崎潤氏が非常に重厚かつ冷静ないかにも軍人さん然としていて良い。あくまで大日本帝国の復興を望み、元上官の海軍少将・楠見(上原謙氏!)の”世界のために”と云う説得も拒否しますが娘の涙にほだされ且つ、その娘をムウに拉致されて改心(になるのでしょうね),海底ムウ帝国撃破に出動を決意する!
ココからの轟天号の、伊福部昭氏の音楽に乗せた怒濤の快進撃は昭和世代男子ならば心燃えたぎること必至です。その無敵振りたるやハンパない。「カオルちゃん」くらい強い!(「リングにかけろ」の各日本Jr.メンバー初登場時、後の世界戦での苦戦が信じられないような「どんだけ強いの!?」的強さ,とでも云いますか・・・。) 危機と云えばせいぜい出撃前に敵のスパイに格納庫を爆破されて、ハッチが開かなくなったことくらい。守護神マンダなんざ屁でもない,「ニョロ吉」扱いです。(涙)

気持ち良過ぎるくらいの圧倒的強さで進撃する轟天号。
一方ムウに拉致されていたカメラマンの旗中(高島忠夫氏)等は皇帝(小林哲子嬢)を人質に帝国脱出を計る。この脱出シーンで皇帝は潜水服に着替える事を強要され、一旦は拒否しますが給水が始まると観念します。この時皇帝,何の躊躇もなくガバッと衣装を己が剥ぐ訳ですが(公開時は基本的に「正月映画」のため勿論ハダカなどはナシ)ここで私は司馬遼太郎氏「風神の門」公家のお姫さん,青子を彷佛としました。青子は屋敷に忍び入った霧隠才蔵の目の前で平然と小用(オシッコね)を足すのですが、高貴な方には下衆の羞恥心など存在せぬはどの世界も同じ,と云うことでしょうか。
轟天号艦内でも和平を提案する神宮寺と対峙し、”自分は殺せても ムウ帝国の心臓部は破壊出来ない”と豪語する皇帝,が残念ながら前出の人類への警告で「轟天こそ我等が脅威」を露呈したように己が弱点を心ならずも語ってしまい、最後の砦に攻め入られる。
爆破される海底帝国。それを目の当りにした皇帝の行動は『世界大戦争』で笠置丸乗組員たちが取った行動と同じものでした。引き止めず見送った神宮司の胸に去来するものは何であったか? ある意味ムウ帝国とは戦中日本,大日本帝国ことに「陸軍」の亡霊であったのではないか,とふと、思いました。
(”お正月映画”なのに・・・。)

元海軍少将楠見役・上原謙氏,『世界大戦争』では蝶ネクタイばかりが目立つ影の薄い外務大臣でしたが本作では面目躍如,現在は光国海運専務と云う民間人でありながら、かつての部下には元上官としてかつ、今の日本を生きる者として接する人物像を存在感たっぷりに好演されています。
ムウ帝国長老役・天本英世氏この時38歳!! 老け顔なのかいや、その後もお変わりにならないと云うことは逆にお若いと言うべきなのか・・・。
(天本氏の演技をじっくり堪能したい方は『キングコングの逆襲』(1967年)をお薦めしておきます。)

監督助手・梶田興治氏のオーディオ・コメンタリーによると轟天建武隊基地のある島はゴジラ・シリーズや同年制作の『マタンゴ』と同じく伊豆大島でロケ(ジープ走行シーン),が島内の密林や屯所前でのシーンはセットであるとのこと。
また『世界大戦争』で松林宗恵監督が外国人エキストラの演技に諦め顔だったのに対し、梶田氏は比較的好意的に語っておられたのが印象的でした。当時演出の通訳をされたのは『戦場にかける橋』などにも出演された「ヘンリー大川」こと大川平八郎氏。

この時代の映画に映し出される東京の景色は、『世界大戦争』の記者クラブ付きの運転手たちが たむろ する背景と云い、今回冒頭の東京湾近郊の建物と云い、現代のように建造物が立て込んでいないため ひとつ々の建物が独立して存在し大変美しく、また空が広い。初見の方にはその辺りも是非お見逃しなきよう。



「轟天号」写真は青島文化教材社発売の「1/350 新世紀合金 海底軍艦 轟天号 限定版」。以前 朝番「スッキリ!!」でテリー伊藤氏が「コレが世界を救ったンですヨ!」と吼えていたのがこれですな。
「シービュー号」や「マイティジャック号」みたいな洗練さはないものの、これぞ日本人しか想像出来ない突撃無敵艦的デザインは、昭和おっさんならほぼ皆知っている、プラモの箱絵でも有名な小松崎茂氏。
『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)冒頭にも登場しました。
(こちらも色々と賛否両論でしたが俺的には楽しめました。東宝専売特許の英語と和語混在会話も健在,ゴジラと松岡昌宏クンのマウント・パンチのシンクロは『インディジョーンズ/魔宮の伝説』みたいだったし,X星人北村一輝氏が最高でした。怪獣バトル観戦しながら、「ちょっと待っててくれ。・・・ダメだコリャ!」ってちょっとそんじょそこらの侵略モノでは不可能なセリフではないか,と。)



『海底軍艦』・・・。
”オマエハ ホントウニ コノ エイガ ヲ ジシン ヲ モッテ ヒト ニ オススメ デキルノカ?”
と聞かれると さて?となる。私自身、子供の頃憧れたにも関わらず観ることの出来なかった作品をただ検証しようとしているフシもかなりありますからして。その辺りも正直に告白しておきます。(ってこの後に及んで最後っ屁・・・。)
では わしゃ単なる三丁目の夕日野郎か? 否、
ダニエル・ボンドも銀魂も、最近じゃNHK『プライミーバル」の続きや秋山莉奈ちゃんの尻なんぞも気になってしょーがないノヨ,と弁明忘れないブラピと同い年の初春であります。

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